陽当りのよい SHIBAURA HOUSE で「ご自由にご利用ください」を考える

芝浦カフェ

SHIBAURA HOUSEをご存知ですか?
芝浦に暮す人なら、SHIBAURA HOUSEという名前は知らなくても、旧海岸通りの八千代橋交差点近くにあるガラス張りのおしゃれな建物と言えば、あぁと思い出してくれるはず。

SHIBAURA HOUSE

前を通ると、なんとなく気になる存在だったりします。

フリースペース OPEN

旧海岸通りからはガラス張りの室内が丸見え。コロナ禍で室内の混み具合が気になるこのご時世に、これほど安心な空間はありません。

最近は入り口にバナナの木が置かれています。東京の気候でも越冬できるの?

SHIBAURA HOUSE

このビルの前を日常的に通るので、入り口の立て看板に「フリースペース」と書いてあるのは前から知っていました。

週末に多くの親子連れで賑わってたりする様子もちょいちょい見かけてました。若い方のコミュニティといった印象があります。

フリースペースってどういう意味だろう?カフェではない?ご自由にって書かれていても、そんなおいそれと入っていいもんなのか?

SHIBAURA HOUSE

入り口がここだというのはわかっているけど、ピーナゴにとってなんだか入りにくい空間でした。

SHIBAURA HOUSE

ええい!ここで悩むくらいなら入ってしまえ!

カフェメニュー

この日はとても閑散としていて、ピーナゴ以外の客はいなさそう。

カウンターにドリンクのメニューがあったので注文します。見知らぬ名前のお茶やソーダに興味をそそられます。

SHIBAURA HOUSE メニュー

カウンターの脇に薪火晩茶のサンプルが置かれていました。他に客はいなさそうだし、どういったものか説明を伺います。

SHIBAURA HOUSE メニュー

薪火晩茶の生姜を注文しました。クッキーもつけて。

1階

店内は外からの光がさえぎられることなく入り、明るく開放的な空間です。

SHIBAURA HOUSE

ふんだんにある緑色のサンテナが板材と組み合わされて家具になっているのが、作業所のよう。でもグリーンが多いし、色が抑えられているので雑多には感じられません。

隅にあった芝浦の模型。ここで3Dプリントできるのかな?

SHIBAURA HOUSE

2階へ

2階も広々としてて落ち着けると教えてもらったので、さっそく上がってみます。

階段をひとつ上がったところにはいろんな機材が置かれていました。一瞬ここか?と思いましたが「広々」とはしていなかったのでもうひとつ階段を上がってみたら、あら素敵空間。

そして、再び思う。なんだここ?

SHIBAURA HOUSE

ますますよくわからないけど、見るところ見るところ全てが面白くなってきて、ひたすら感激してるピーナゴ。

外を見下ろすと八千代橋交差点がよく見えます。眺めもいい!
まさか、芝浦にこんな居心地のよいところがあったなんて、知らなかったなー。

SHIBAURA HOUSE

正直興奮が抑えきれない程だったけど、他にもう一方お客さんがいたので、このくらいにして席に着きました。

焚火晩茶とクッキー

2階まで運んでいただいた焚火晩茶です。あの値段で、まさかこんな大きなポットとは想像してなかったので、さらに混乱。

SHIBAURA HOUSE 焚火晩茶とクッキー

ポットにお湯がたっぷり入ってて余裕で3杯ありました。これで270円ってどういうこと?

SHIBAURA HOUSE 焚火晩茶とクッキー

ピーナゴはもうよい年をしてるので、この世に只より高いものはないと十分に学んでいます。おしゃれなスペースでコスパ良すぎなドリンクメニュー。どこで採算があうんだ?
素敵なカフェなのに、いつまで経ってもお尻が落ち着かなくて困りました。この後、何かよからぬ壺とか絵を勧められるか、謎の鍋のセールスしないかと勧誘されたりして。

段々不安になってきたので、お茶を運んできてくれたスタッフさんを質問攻めにしました。

一体どういうこと?

笑顔が好印象なスタッフさんが語ってくださった話では、ここは広告製版業が基盤でデザインや企画を行う会社の建物であるということ。この上のフロアにオフィスがある。会社として地域交流を大事にしていて、1階と2階は地域の方に自由に使っていただけるスペースとして開放していると伺いました。

デザイン系と聞いたところで、ようやくピーナゴには納得できる部分がありました。以前にピーナゴが働いたことのあるベンチャー企業で似た取り組みがあったのを思い出したからです。簡単に言うと、企画能力を育てるためには自分と違う属性の人と対話しろというものです。
ここも地域交流を円滑に行うことで、社員のインスピレーションを掻き立てる場を社内システムとして構築してるんだとしたら、すごいな。
こんな突き抜けた会社が身近になったなんて!

会社にとっても地域にとっても両方に利があるのを納得したので、これなら壺は売られないだろうと、やっと安心できました。

その後、週末にビルの前を通った時にはお野菜の販売会をしていました。たまにペットの里親探しの集まりも開催されているようです。用事があればここに入るきっかけになるよね。

平日はいつも空いています。外からの印象とは裏腹に、中に入ってしまうと意外なほど外からの視線は気になりません。気になっている方は一度入ってみたらいいと思う。別に取って食われたりはしないし、普段と違う環境や出会いに思わぬ発想が得られるかもしれないよ。

設計

後で調べたら、建物の設計が妹島和世氏と知りました。すみだ北斎美術館を手掛けられ、最近東京都庭園美術館の館長に就任されました。

どおりでおしゃれな訳です。

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